しやいとブログ

つれづれなる薬剤師のブログ

化学療法

抗がん剤の腎用量調節の考え方(例:シスプラチン)

※あくまで私見ですので、この考え方が世間一般とは限りません。 私が腎機能障害のある化学療法患者の投与量を確認するときに用いている考え方です。記載がないCCrはすべてmL/min、sCrはmg/dLが単位です。 ①レジメンの基となっている試験を確認する 非常に重…

R-GCVP

R-GCVP リツキシマブ+ゲムシタビン+シクロホスファミド+ビンクリスチン+プレドニゾロン 適応:アントラサイクリン系が使用できないDLBCL 3週ごと6コース リツキシマブ 375mg/m2 day1 ゲムシタビン day1,8 血液毒性がなければ順次増量 サイクル1 750mg/m2…

眼内リンパ腫に対する硝子体注射

眼内リンパ腫は珍しい疾患ですのであまり目にする機会がないかも知れません。眼への抗がん剤投与を考慮する疾患です。 治療は局所化学療法(眼)や全身化学療法、放射線療法を行います。全身化学療法は高用量メトトレキサートやR-MPV(リツキシマブ+メトト…

塩酸プロカルバジンと食品

プロカルバジンは血液脳関門を突破することができる抗悪性腫瘍剤なので、脳腫瘍や悪性リンパ腫に用いられる薬剤です。食品との相互作用があることも知られています。 〇飲酒禁忌 添付文書では、アルコールが禁忌とされています。ジスルフィラム様作用により…

化学療法と血栓症

先日、医師からこんな問い合わせがきました。 「血栓症でアピキサバンを内服している患者に化学療法を施行しようと思うんだけど、どんな影響があるのか」。 尿路上皮がんでMVAC導入を検討している患者。年齢は比較的若め。常用薬はアピキサバンと便秘薬など…

メルファラン大量投与時のクライオセラピー

多発性骨髄腫の造血幹細胞自家移植前にメルファラン大量療法が用いられます。投与量が2日で200mg/m2ですので、他のメルファラン含有レジメンと比較すると多量の抗がん剤が投与されることになります。そうなると問題となってくるのが、副作用です。 添付文書…

抗がん剤の肝障害・腎障害者の用量調節

腎障害や肝障害がある患者の抗がん剤投与量の監査について不安な人も多いのではないでしょうか。 添付文書に減量基準が明確に記載されていれば、それを基に提案することができますが、記載されていない薬剤も多いです。今回は、そのような場合に参考になる資…